当社では、防燃、防腐、防虫、防臭、抗菌、着色、調湿、断熱、耐候、防音、放射線遮断、着香、寸法安定性、割れ防止等の機能を付与した木質材料の事を機能化木質材料(プラセラウッド®)と呼んでいます。当社では、単機能の付与ではなく、同時に複数の機能を付与したプラセラウッド®の開発を行っています。防燃、防腐、防虫等の機能を付与することで木材の使用寿命を伸ばし、更に最終的に炭化して土に戻せば、空気中の炭酸ガスを固定化して減らすことが出来ます。
当社では、業界初の非破壊局部測定技術を開発し、無垢含浸木材の防燃性能保証の実現に取り組んで来ましたが、燃えない木に関して、国土交通大臣の認定を取得しましたのでご報告します。
準不燃材料 認定番号QM-0696
合成樹脂塗装/りん酸アンモニウム系薬剤処理/すぎ板
左は不燃処理をした無垢木材、右は処理していない木材で作成した木の箱です。箱のなかには、書類が保管されています。
網にのせて下から着火。薪で20分間燃やします。未処理のほうは(右)完全に炎をあげて燃えています。
20分後に消火。不燃処理をした箱(左)は外側は焦げていますが(これが木を燃えなくするヒミツ)、一切着火しませんでした。
ふたをあけて中を確認すると、書類は無事です。
不均一な天然木材を用いた不燃木材ながら、すべての部位において不燃性能が保証できる、総合的な技術開発を行っております。また、不燃木材の高機能化開発も行っております。
不燃処理では、不燃性薬液(含浸剤)を木質内部まで浸透させます。不燃木材は、加熱時に炎を伴わず炭になります(炭化します)。これが木を燃えなくする仕組みです。従来に無かった局部測定技術を開発し、どの部位においても不燃性能が保証される生産技術及び品質保証技術の確立に取り組んでおります。
不燃木材の高機能化では、耐候性、接着性、塗装性の向上に取り組んでおります。 不燃性能の確認は、認定試験に用いられるものと同じコーンカロリーメータを導入し、開発に役立てています。
当社は業界で初となる、非破壊検査による局部測定を用いた品質管理手法の確立作業を行っております。 これにより、出荷される不燃木材のすべての部位の性能を保証できるようになります。
当社で開発中の不燃木材は、不均一である天然無垢木材を用いるため、その品質保証に大きな課題がありました。従来技術では、含浸前後で木材全体の重量変化を見る方法しかなく、局部的な性能保証が出来ませんでした。
当社では、従来に無かった非破壊局部測定技術を開発し、局部的に含浸剤成分量を測定できるようになりました。非破壊局部測定による局部的な含浸剤成分量とコーンカロリーメータによる発熱量の測定結果の相関関係を分析する事で、出荷前にすべての部位において性能が保証できる品質管理手法を確立しています。
平成27年4月、青梅市にプラセラウッドを使用した木橋が完成しました。
青梅市黒沢の聞修院様の参道(市道)に架かる木橋で、老朽化した橋を掛け替える工事にプラセラウッドが採用されました。
プラセラウッドの銘板が付いています。
周りの緑豊かな環境に木製の橋がとても良く合います。
平成27年12月、青梅市鈴の音保育園にプラセラウッドを使用した園庭が完成しました。
木材:杉間伐材・桧間伐材(青梅市成木)
設計:ミナトセッケイ/湊泰樹氏
(photo by SPREAD:Shinya Hirose)
※2015年度東京都木とのふれあい事業採択
真空-加圧含浸後、塗装を行う。
モニターとして少量のNa2MoO4を添加
国土交通大臣認定 準不燃材料 認定番号QM-0696
真空-加圧含浸後、加熱処理して尿素を加水分解させ不溶化。
見た目や、花との相性もバッチリな木製プランター。ただ、適度な水分を保つため、いつも湿り気味。含浸技術はそんな木材の腐りを遅らせます。